2021/06/22
水産土木チームの研究成果が国際誌「Frontiers in Marine Science」に掲載されました
マナマコ稚仔の食害生物に関する成果をまとめた論文がスイスの学術出版社Frontiers Media SAの「Frontiers in Marine Science」に受理・掲載されました。本論文では、道南の漁港におけるマナマコ種苗放流調査と室内飼育試験を通じて、大型のモガニ類であるオオヨツハモガニ(Pugettia ferox)がこれまで報告があるマナマコ稚仔の捕食者より食害生物としての危険性が高いことや室内試験からオオヨツハモガニが切り刻んだナマコの一部を利用しデコレーションすること、また、それらを短期的な食料保存目的で利用する可能性があることを世界で初めて明らかとし、報告しています。当該成果は、マナマコ資源管理や資源回復を目的として実施されている種苗放流の効果を高める手法を検討する上で重要な知見であり、今後の新たな放流手法に関する技術開発への応用が期待されます。
A.礁内に多く出現したオオヨツハモガニ、B. 胃内要物中のマナマコ骨片、C. ナマコ稚仔の捕食、D. オオヨツハモガニによるナマコ稚仔のMortality rate、E. 捕食後のナマコ稚仔の残骸、F. 切り刻んだナマコ
でデコレーションするオオヨツハモガニ
Nobuharu Inaba, Takuma Matsumoto, Hiroshi Kawai, Yuji Anaguchi, Kohei Matsuno:Predation of juvenile Japanese sea cucumber Apostichopus japonicus by kelp crab Pugettia ferox,Frontiers in Marine Science,2021
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmars.2021.684989/full